車検時だけではメンテナンスは足りない!法定12ヶ月点検の重要性を解説。最低でも点検は1年に1回は実施することが大事!

クルマ

自動車を所有していれば避けては通れない車検。自家用乗用車であれば2年に1度到来します。

しかしその一方で、車検を受けた1年後にやってくる法定12か月点検。そこまで重要視されていないことが多いですが、自動車の安全を維持していく上でとても大事なことなのです。

法定点検の概要

法定点検とは?

自動車の点検は所有者の義務であり、運行前に運転者が自ら行う日常点検の他に年1回法定点検を行わなければならないことと道路運送車両法で定められているのです。

定期点検整備は、一般的な構造・装置の自動車に関し標準的な使用を前提として、定期的に行う必要のある点検を定めたものです。日常点検整備は常日頃から行う簡単な点検であるのに対し、定期点検整備は一定間隔ごとに行う、少し大がかりな点検整備です。

法定点検とはその名の通り、められている定期点検なのです。

車検の時も同様に法で定められた項目を点検し、適宜部品交換や整備を行い保安基準を満たした状態にした上で検査を行っています。

ちなみに補足ですが、この時行っている検査のみを車検といいます。車検の時に行っている点検は法定点検となります。

法定点検の実情は

法定点検の実施率はというと、自家用乗用車で実に30%程度と言われています。

法定点検は法で定められているとは言うものの、車検と違い受けなかったからと言って特に罰則等も無い為、法定点検を受けるかどうかは実際のところ所有者の任意となっている状況がこの実施率の悪さに現れているのではないかと思います。

自動車ディーラーにおいては通常の合計金額よりもお得な金額設定にして法定点検や車検を数回分まとめたパック商品もあるようで、法定点検の実施率アップと自動車の安全の維持に一役買っています。

法定点検の時期

一般的に自家用乗用自動車においては、1年毎と定められています。

しかし不特定多数の方が利用するレンタカーや走行距離が多くなるタクシー、トラック等非常に過酷な条件下で使用される種類ではまた違った期間で設定されています。

引用元 国土交通省HP

法定点検の内容(自家用乗用車、軽自動車の場合)

法定点検ではマイカーの場合、エンジンルーム、灯火類、足回り、下回り等、特に運行上安全に関わる27項目を点検するよう道路運送車両法で決められています。

こちらは点検整備記録簿です。

自家用自動車の法定1年点検を行ったときの年月日、走行距離、点検結果や整備記録を記入して保管しています。

2枚複写になっており、1枚は事業場控、もう1枚は使用者控としてお客様のメンテナンスノートに貼り付けられていきます。



エンジンルームの点検

・パワステベルト、ファンベルトの緩みがないか、ゴム部品なので亀裂が入っていないか等の点検

・点火プラグの状態確認。

・バッテリーの性能点検。端子部に緩みが無いかを点検。

・排気ガスの色と濃度を点検。エアクリーナの点検、清掃。

・エンジンの冷却水に漏れ箇所が無いかを点検。

・エンジンオイル、トランスミッションのオイル量と色の確認。

室内点検

・ブレーキペダルの遊び、踏み応え、ブレーキの利き具合の確認

・サイドブレーキの引き代(パーキングブレーキは踏み代)、利き具合の確認

・MT車はクラッチペダルを踏み込んで奥まで行き過ぎないかを確認

足廻り点検

・前後ブレーキを分解し清掃、グリスアップ、適宜調整。

・ブレーキパッド、ディスクロータ、ブレーキシューの摩耗度、残量確認。

・タイヤの空気圧、溝の残量、タイヤに亀裂が無いかを点検。

・ブレーキの油圧系統に漏れが無いかを確認。

下廻り点検

・エンジン、トランスミッション、ブレーキパイプ、燃料、各系統オイル漏れや滲みが無いかの点検。

・マフラーに穴が開いていないか、取り付け状態の確認。

・ドライブシャフトブーツ等破れ亀裂の確認。

・車体、足回り、下回りにおいて安全に関係するボルトの増し締め。

車載式故障診断装置点検

・スピードメータ内に何らかのシステム異常をドライバーに知らせる警告灯が点灯していないか。

ざっくりですが、点検記録簿に沿ってこれらの点検を行っていきます。整備工場では1年点検時には27項目を、更に車検時の2年点検では実に57項目もの点検項目を点検するよう道路運送車両法で定められています。

安全な運行に支障を来たす恐れがあると判断した場合には、適宜整備や交換を行いその結果を点検記録簿に記録し保管しています。

法定点検の費用

法定点検の費用は整備工場によって料金設定もまちまちですが、あくまで参考までに平成27年度の整備料金実態調査の結果を掲載してみました。ぜひご参考までに。

引用:平成27年度国産自動車点検・整備料金実態調査

メンテナンスコストの分散化

点検は車検の時だけ!というお客様によく出会いますが、メンテナンスは車検のみは車検費用が高くなりがちです。

2年間乗りっぱなしだと、悪くなってきているまま乗り続けていた為に他の箇所も悪くなり最終的に車検費用が凄い金額になり、驚かれることもしばしば。

1年毎に点検をしていくと、交換が必要な部分も早期発見でき、その時交換まで実施してしっかりとしたメンテナンスを行っていくと次に車検を迎えた時には、あまり交換部品も出ず車検費用が抑えることができます。

トータルで見ると定期的なメンテナンスをしていたお客様の方が、コストも抑えることができているように思えます。

安心して乗り続けることができる

これに尽きます。自動車は事故だけでなく、故障によってドライバーだけでなく同乗者や周りの方も巻き込んでしまうことも十分にありえます。

交換部品の早期発見のメリットはこちらでもあてはまります。

自動車を長く安心して乗っていくには、車検だけでなく1年点検も実施してことが重要と言えるでしょう。

まとめ

どんな自動車でも必ず消耗、劣化していき、同時に事故や故障のリスクも高くなります。それを防ぐ為に必ず1年点検を受けて頂き、長く安全に自動車を利用していただきたいと思います。

また整備不良が原因での事故は未然に防げるものだと考えます。そういった部分でも定期的な点検は非常に重要だと思います。



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