スズキからエブリィ、キャリーのAGSに関する大規模なリコールが発表された。AGSとは?リコールの内容とは?

クルマ

スズキ株式会社より国土交通省へリコールの届け出があり、2023年3月31日に発表されました。

この記事で分かること

スズキのAGSって何なのか?

どういう不具合で、故障したらどうなるの?

リコール作業にかかる時間は?

ディーラーじゃないと受けれないの?

今回のリコール内容と不具合箇所について

AGSとは何か

AGSとはAuto Gear Shiftの略でAGSはスズキでの名称であり、一般的にはこの機構を有段自動変速機AMT(Automated Manual Transmission)と呼ばれています。

引用元:スズキ株式会社hp

MT車を操作するときに運転者が行なっていたクラッチ操作やシフトチェンジ操作を、すべて自動で行うという凄い装置なんです。

エンジン回転や車速など走行中のたくさんの情報から最適なタイミングでの操作をコントローラからの信号を受けたアクチュエータが油圧により操作しています。

また燃費も良く、カタログ表記では同型のAT車はもちろんのこと5MT車よりも低燃費

そして、操作方法はAT車と変わらない為AT限定の運転免許しかお持ちでない方も運転できます。

AGS不具合対策(リコール)

平成26年8月~令和3年7月までに生産されたキャリー(DA16T)とエブリィ(DA17V)のうちAGS(オートギヤシフト)搭載車である約20万台が今回のリコール対象車両。

OEMの日産NV100クリッパーマツダスクラム三菱ミニキャブも該当しておりそれらも合わせると対象車両は実に約265000台にのぼります。

なお、平成30年11月に発表された過去のAGSリコール対象車両は今回発表されたリコールでも同様に対象となっています。

引用元:スズキ株式会社HP

AGSコントローラリプロ(サービスキャンペーン)

引用元:スズキ株式会社HP

作業内容と所要時間は

今回のリコールでの不具合箇所は複数あり、されに伴い作業内容も4種類に分かれている。

車両に搭載されているAGSアクチュエータのシリアルナンバーでリコールの作業内容及び所要時間が決まります。

その為、実際に時間がどれくらいかかるのかは車両を確認しないと分からないということになりますが、目安としてはリプロのみを除き約2時間30分~3時間くらい。

作業内容① AGSコントローラリプロのみ(サービスキャンペーン)

対象機種の中でも後期の車両(令和3年製造の一部、令和4年製造)が対象となっており、部品の交換、脱着を伴わない内容で、スズキの車両診断機を使いAGSコントローラの制御プログラムを対策されたプログラムへの書き換え作業でリコール対象車両のごく一部はこの作業のみで済むパターンもあるようです。

対象車両でかつ車検証の「型式」の欄がキャリーは「3BD-DA16T」エブリィは「5BD-DA17V」の車両がこれに該当します。(サービスキャンペーンのみ該当)

重整備を伴わない為、所要時間も約20~30分

作業内容② 作業内容①+モータ交換(リコール)

引用元:スズキ株式会社HP

AGSの作動油ポンプのモータが湿気に弱いものがあり、高温多湿で使用した場合において膨張し円滑な

作動ができなくなり、最悪の場合には警告灯が点灯し変速不能、走行不能となる恐れがある為、当該モータを対策された部品へ交換する。

所要時間は2時間半~3時間程度

作業内容③ 作業内容②+クラッチピストン交換(リコール)

引用元:スズキ株式会社HP

AGSのクラッチ機構において、ケーブルの被覆が不適切な為に水分が混入してケーブル被覆内部のワイヤーが錆により破断し警告灯の点灯と変速不能、走行不能となる恐れがある為、当該クラッチケーブル部品を交換します。

所要時間は約2時間半~3時間程度

作業内容④ 作業内容③+ポンプ交換(リコール)

引用元:スズキ株式会社HP

AGSのオイルポンプにオイル滲みが生じている場合、オイルがモータ内に侵入してオイルによってモータがショートしてしまいポンプが作動不良を起こし、警告灯点灯と変速不能や走行不能に至る恐れがあり当該ポンプを対策部品へ交換します。

所要時間は約2時間半~3時間程度

作業内容⑤ AGSアクチュエータ交換

AGS不具合対策を進める中で、診断機でシステムの点検を行うのですが対策前の時点でAGSシステムの色んな数値が万が一、正常範囲を外れていた場合はAGSアクチュエータの交換を行います。

こちらは既に警告灯が点灯している、作動が既におかしい等特殊な状況な場合になります。

所要時間は3時間~4時間程度

ディーラーで受けるべきなのか

このリコール作業のなかで「SDT-2」というスズキ車専用の診断機を使用しないといけない部分があります。

結論から言うと、この診断機を持たない店舗では作業できないことになります。

スズキのディーラー若しくは、スズキの看板を掲げている民間整備工場の中には、この「SDT-2」を持つ工場も一部存在します。そちらでは対応できます。

まずはディーラーへ相談してみましょう。

リコール作業の際は必ずご予約を!

今回のリコールは台数も多い上に、1台あたりの所要時間も長めです。それゆえに、突然持って行ってもリコールなのにその場ですぐ対応してもらえなかった!ということが充分考えられます。

リコールは完全に自動車メーカーの都合でユーザーに迷惑と不安と車を預かるという時間を使わせてしまうものですが、実際に作業を行う整備工場の整備士の人員も限られています。

ディーラーや民間整備工場ともにリコールの重大さを理解しメーカーに代わり、最大限対応に努めています。

もしもリコールの案内が届いた場合は、ディーラーに問い合わせをお願い致します。

作業時間の予約や必要であればその間の代車の手配など、事前に行って頂くことをおすすめします。



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